2016年12月13日

自虐~ふたつの心を持つ女(五話)


五話


 思ったことの半分も言えない。弱くて臆病。そんな女はどこにでも
いるものです。ですけど私はそれをネガに考えたことがない。黙って
いることが言葉になる。そこのところをわかってほしいと願うだけ。
 そしてそんな私にとって、一応のキャリアも積んで安定した職場を
去ってカフェをやる。そう決めてそれが言えたことだけでも崖を飛ん
だようなものだったのです。
 
 自虐なんてSMチックなオナニーじゃない。そう言われることで
しょうが、それも違う。
 私の中に棲み着いたご主人様の好みの奴隷となれるよう、永遠の家
畜として飼われていく。もし私が他の誰かとSMをしたとして、それ
だって内なるご主人様に命じられてのことですからね。
 エスカレートしていく調教がいつか破滅をもたらしたとしても私の
中のご主人様にそむかなったことを誇りとして生きていける。

 恥辱としか言えない汚らしい排泄をバケツの底にじっと見つめ、刺激
するだけ刺激されてアクメの許されない苦悶にのたうち、翌朝にはまた
縄パンティを食い込ませてお店に出る。
 助けて。悲鳴を搾り出すように哀願しますが、他人ではないご主人様
は決して許してくださらない。大切なのはそこなのです。リアルで出会
う男性ならば他人であり、一途に尽くす私にいつかきっと夢を与えて
くれるでしょう。だけどご主人様は私自身でもありますからね、どれほ
ど泣いても、もっともっとと高みを要求され続ける。

 男性がやさしくなって別れのときが近づいてくるなんて図式が嫌です。
 別れは永遠にあり得ない。だからやさしくしてくれない。その中にし
か安住が見いだせない。体温のある強いペニスに満たされる人並みの
女の生き方が怖いんです。

 そして翌朝。いつものようにシャワーに立った私にご主人様は陰毛を
なくせと命じられる。濃く茂る女の飾りを失って、それこそケダモノの
性を剥き出しにされた淫裂を鏡に映し、その日は真っ赤な縄で性器を
締め上げ、ガードルもストッキングも許されず、ソフトフレアのロング
スカートを穿いて出た。まともな下着はハーフカップの赤いブラだけ。

『いずれは透けるドレスに替えなさい』

 そんな・・お願いですからそれだけは・・お店にいる間中、蔑まれる
視線を感じて・・好奇の視線に晒されて・・そんなことになったら愛液
は縄の給水では飽き足らず、腿に流れ、スカートを素通しにしてしまう
でしょう。
 ロングスカートだったとしても、その日一日、体に震えがくるほど
感じていました。ふらふらでお部屋に帰り着き、すぐさま日課の調教が
待っている。

 丸椅子に私を求めて勃起したままのゴムの魔物。がに股になって貫い
て、その瞬間ガタガタ震えた私は、淫らな震えを抑えようと、乳首を責
める洗濯バサミを挟み付け、モニタの左右のフックから乳首を吊る輪ゴ
ムの数を倍に増やした。
「ああ痛い、ご主人様、ちぎれます」
『ふっふっふ、よくてよくてならないくせに』
「はい・・ああイキたい、ご主人様ぁ・・」

 可哀想なほど乳首はつぶれ、ゴムの強さに乳房が引き延ばされて円錐
に尖って見える。もしもいまお尻を鞭打ってくだされば甘い悲鳴を上げ
るものを・・。

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