2016年11月09日

フェデリカ(終話)

終 話


「この私に捧げた身と男は言ったのですね?」
 ダマラがうなずき、そのときフェデリカに声はなかった。
 朝になって明るくなっていた。

 クイーンウッズを守るため剣を手にした男たち。しかし戦いが終わると男たちは皆、テラスの下へとやってきて、兵士の姿となったフェデリカに一礼し、テラスの石段へ剣を置いて自ら牢舎へと引き上げていく。
 それもまたフェデリカには衝撃だった。その気なら復讐だってできたはずだしここから逃げることもできたはず。
 ダマラが下がろうとするとフェデリカが呼び止めた。
「バティを呼んで。眠れそうにもありません」
「かしこまりました、ではそのように」
 ダマラが去ってほどなくして、真新しいが粗末な白い着物を着たバティが女王の寝室を覗く。
「おいでバティ」
 フェデリカは疲れ切ってベッドの中。ピトンもいなく、フェデリカとバティだけの静かな空間。バティがベッドへ歩み寄るとフェデリカは毛布をはじいて両手を広げた。フェデリカは全裸。今朝は快晴。やわらかな赤い朝陽が射し込んで全裸のフェデリカが輝いているようだった。

「脱いでおいで・・ねえバティ・・」
「はい?」
「お願いがあるの・・私を抱いて・・」
「え・・」
「私を抱いて・・思うままに可愛がって・・」
 フェデリカの美しい面色は女の色そのもので、そのときフェデリカは泣いていた。脱ぎ去って、女王の手に導かれるままバティはベッドに絡め取られる。
 女王の震える唇にキスをして・・豊かで美しい乳房を愛撫して・・それから口づけが裸身を這って・・ふわりとひろげられたフェデリカの濡れる花園へと沈んでいく。

 ダマラはセシリアの部屋で全裸で抱き合い、横になる。二人には声もなく、消えていったアラキナを想って、ただ抱き合った。

 コンスタンティアの居室にはロランドがいた。牢舎に戻ろうとしたドッグをコンスタンティアが引き留めて、自分の部屋へと引き込んだ。
 手錠をさせない男と一対一。コンスタンティアはロランドの存在など無視するように兵士の姿を脱ぎ去って全裸となった。狐につままれたようなロランド。コンスタンティアはベッドにどさりと座り込むと、前へ来いと目で言った。
 コンスタンティアの足下に膝で立つロランドは、言われる前に両手を頭の後ろに組んでいて、いまはまだ萎えているペニスを差し出すように控えている。
 コンスタンティアはちょっと笑うと、萎えたペニスに手をやって、そっとくるみ、揉むように愛撫する。
「どうして・・どうして男どもはあたしらのために・・おまえもだが」
 答えを求めた問いではなかった。
 ロランドは目を閉じて愛撫を受け取り、見る間に勃起させていく。

「ふふふ、勃ってきた・・男は面白い生き物だわ。こんなあたしでも欲しがってこうして勃てる・・」
 コンスタンティアは握ったペニスを捨てるように払うと、立ち上がって乗馬鞭を手に取った。ロランドのスキンヘッドをベッド押さえ、尻を上げろと命じる。
 ビシーッ! ビシーッ!
 それでなくても鞭痕の痛々しい尻の左右を、フルスイングで二度打って、男の尻を悶えさせ、苦しむ全裸のロランドを背後から見下ろして、尻を撫でてやって立てと言う。
 ロランドをくるりと振り向かせると、コンスタンティアはひったくるように大きな乳房に抱き寄せて、そのまま二人でベッドに崩れる。
「よく舐めるんだ、汗をかいて臭い」
「はい、コンスタンティア様」
 男勝りな強い腿が開かれたとき、コンスタンティアの性花はおびただしく濡れていた。褐色のラビアがわずかに咲いて、ピンクの花奥が見えている。陰毛は黒く濃い。
 ロランドはクリトリスにキスを贈って舐め上げて、体の割りにつつましやかな性の花を開いて舐めた。

「ンふぅロランド・・ああ感じる・・濡れる・・おおーっ!」
 コンスタンティアはベッドでバウンドするように反り返り、ロランドのスキンヘッドを大きな両手でひっつかむと、もっともっとと開いた女の奥底へと押しつける。
 尖らせた男の舌が女の花へと没していき、ラビアは咲き誇って蜜を流し、綺麗なピンクの肉の穴牙を晒してまで牝の性(さが)を訴えた。
 最初のピークが近づいて、コンスタンティアは悲鳴のような声を上げ、ロランドの裸身をその怪力でひっくり返し、上になって腹に座る。
「憎らしい・・よくもあたしを舐めてくれたわ・・憎らしい・・」
 尻の下に勃起するペニスを感じ、コンスタンティアは後ろ手に握り込むと、しごき上げる。
「ああコンスタンティア様・・出てしまいます・・」
「いいのか? このあたしにされて、それでも嬉しいのか?」
「いい・・感じますコンスタンティア様・・」
 コンスタンティアは、ペニスを持たない左手でちょっとロランドの頬を叩き、右手に握ったペニスを上向きにしておいて、腰を上げて性花にあてがい、一気に腰を下げていく。

 奴隷の性器がコンスタンティアの体へ突き立った。

「はぁぁロランドロランド・・イク・・ああ感じる・・どうしてあたしが・・ああクソっ!」
「コンスタンティア様は可愛いお方です」
「言うな! 畜生っ! ああダメ・・イクぅ・・ああーっ!」
 尻の底を勃起に叩きつけるように・・前後にスイングするように・・。
 ロランドの手を取って乳房へ導き、揉みしだかせて乳首を嬲らせ・・。
「ああロランド・・おまえが可愛い・・ああイクぅーっ!」
 ロランドの衝き上げに、コンスタンティアは痙攣して果てていく。おびただしい樹液がコンスタンティアの子宮めがけて噴射された。
 そのときコンスタンティアは、カッと目を見開いてロランドの絶頂を確かめて、そのまま崩れて口づけをせがみ、ロランドの口に舌先を突っ込んだ。
 それでも勃起は萎えていかない。
「ああ来る・・まただ来る・・そんな・・どうしてあたしが・・ああクソっ!」
 キィィーッと金属的な声を最後に、大きなコンスタンティアはがっくり崩れて動かなかった。・・ちょっと重い。

 ロランドがフェデリカの元へと呼ばれたのは、一週間ほどしてからだった。兵の付き添いはもはやなく、ロランドだけは手錠さえもされていない。
 女王にふさわしい白亜の寝室にはランプの明かりが揺れていて、その中へ呼ばれたロランドがやってくる。居室の前で若い衛兵に脱ぐよう言われ、ロランドは全裸とされて入れられた。武器など隠していないのに・・。
「あら裸・・ふふふ若い子だから融通がきかないようね」
 しかしロランドは、見事に変身したフェデリカを一目見て、すべてを理解して微笑んだ。
「今日できたばかりなの。どうかしら? 似合う?」
 純白の白のタイトドレス。シルク。生地が薄く素肌を透かすようだった。
「男たちを見ていて思ったの。この私が世を拗ねて黒ばかりでは男たちが可哀想。女王は女を誇って生きている。それでこその奴隷の幸せ」
「はい、それでこそのフェデリカ様です」
 
 フェデリカは、せっかく着た白のドレスを脱ぎ去って全裸となると、毛のない肉人形のようなロランドに微笑んで歩み寄り、手を引いてポールの片方へと導いた。ロランドはすでに勃起しはじめ、頭を振ってペニスが逞しくなっていく。
「ふふふ若い・・可笑しいほどすぐ勃てる・・」
 微笑みながらポールの後ろへと手を取ると、手錠でも縄でもなく、髪を留めていたヘヤーピンを抜き取って両手の指先に持たせるのだった。手錠よりも厳しい拘束だとロランドは思う。
 亀頭打ちの鞭を持ち、いつものようにワインのコップをロランドに差し出して、
それから女王も一口飲んだ。
「覚悟なさいね」
「はい」
 バシーッ!
「はぅううーっ!」
 いきなりの強い鞭。打たれたペニスがバウンドする。ロランドはピンを指先で握るように耐えていた。
「痛いよね・・うん痛い・・でもダメよ・・」
 バシーッ!
「あうぅぅーっ!」
「ふふふ・・いい声だわ・・ピンを持ったままお座り」

 ロランドの頭に手をやって体を押し下げ、ロランドはポールの下に膝で立つ。
 頭を撫でながら顔を引き寄せるフェデリカ・・そこには金色に輝く陰毛が茂っていて、女王の美しい性の亀裂が透けていた。
 頭を押さえて鼻先を突っ込ませるフェデリカ。牝の匂いが強かった。
「お舐め」
「はい・・ああ、はい!」
 女王の花園は熱かった。蒸れるように濡れている。
 ロランドの舌がクリトリスを捉えて弾くように舐め上げる。フェデリカは奴隷の頭を股間に引き込み、ふるふる震えて立っていた。
「はぁぁ素敵・・なんていいの・・ああ感じる・・」
 しかし女王はロランドの愛撫を引き剥がし、もう一度立たせると、ビクンビクン脈動するペニスの先の濡れを指に取って絡め、そっと静かにしごきながら亀頭をさする。
「はぁぁ・・ぁ・・あぅ!」
「ほうら出た・・よく飛ぶわ・・水鉄砲みたいで面白い・・ふふふ」

 ロランドの射精を目を輝かせて見守ると、後ろ手のピンを一度許してポールから解放し、ふたたび後ろ手にピンを持たせ、奴隷の尻を撫でながら女王のベッドへと導いた。
 柔らかな縁に腰掛け、そっと後ろへ倒れていって、両足をベッドへ上げてMスタイルの性の姿・・ベッドの下に膝で立つロランドは、美しくも淫らなピンクのラビアの閉じる様を見つめていた。
「いいわ・・もっと舐めて・・体の中まで・・さあロランド、おいで・・」
 ロランドは夢見心地でフェデリカの奥底へと顔を埋めた。

 北欧の厳しい冬が過ぎ去った。
 春になって、花屋だったロランドの指図で城内のあちこちに花壇ができた。色とりどりの花が咲き、まさしくクイーンウッズにふさわしい景色ができる。
 城壁も積み増され、石畳と土が見事に分けられ、土の部分のあちらこちらに落とし穴までが隠された。
 二十歳となったキャプテン・カーロが訪ねて来たのはそんな春の昼下がり。十名ほどの配下を連れてやってきて、見違えるように整った城内に眉を上げた。
 配下ではない・・すべてが若い娘だった。

「これはまた・・いつぞやとは見違える」
「いろいろありましてね・・今回はお見せすることができませんが」
 場所によっては工事中。秘密の備えを見せるわけにはいかなかった。
 カーロはうなずく。
「ここが襲われたと知ったのはずいぶん後になってから。すでに冬で何もしてあげることができません。助けを送れず申し訳なく思っております。そこで今日はこのように・・」
 と言うと、カーロは連れてきた女たちを手招きした。
「この者たちは皆、可哀想な定めを背負った女たち。剣は取れませんがお役に立つ者どもだと思います」
 そして女たち十名に言う。
「これからここがそなたたちの住まいだ。フェデリカ様はじめ皆に心からお仕えしなさい。ここにいれば苦しまなくてよい。女らしく生きるのだぞ」
 女たちはいずれも十代の娘ばかり。ごく普通のスカート姿だったが、皆が膝を折ってクイーンウッズの主に礼をつくす。

 そしてそのとき、ピトンのようなかしこまった礼服ではなく、あたかも騎士のような姿となったロランドが、穏やかな笑みをたたえてやってくる。
「この者は?」 とカーロが問うた。
「この私に身を捧げた者・・とでも申しておきましょうか。じつは侍従ですのよ。若いのに、じつによくしてくれます」
 ロランドは騎士そっくりな姿だったが、髪の毛も眉もないという点で、そこらで働く全裸の男たちと変わらなかった。

「私の奴隷とするため去勢してありますの・・」

 フェデリカはそう言って、ロランドに微笑みかけた。
「そうねよ、ロランド」
「はい女王様」
 これには、カーロも連れて来られた娘たちも、一様に呆然とした面色でロランドを見つめていた。若いのにまさか・・そんな眼差しを向けている。

 そしてちょうどそんなとき・・腹のせり出した大きな女が通りががる。男勝りな体をしていて、衛兵ばかりの中にあって普通の着物を許されていた。
「うむ? あの者は・・赤ちゃんが?」
 と、カーロが言った。
 その女は花壇のひとつに取り付くと、同じようにごくあたりまえの着物を着たバティとともに花を摘んで笑っている。
 コンスタンティアであった。

「ときどきこういう間違いが起こるのですよ・・ねえロランド・・」

 くるりと瞳の回る妖艶な笑みを向けられて、ロランドはちょっと眉を上げて首を傾げ、「そのようですね」・・と笑った。

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