2016年11月12日

妻の性 シーン9

寺内和子

「赤、青、黄色、色とりどりの綺麗なロープだ。あんなもの
までお花にするんですね?」
「え…ええ。ふふふ」

 曖昧に笑っているしかありません。ああ今日はこの人だ
わって胸がドキドキしています。
 五階建ての小さなマンションの最上階に住んでいます。
お部屋はきっちりLの字型で、Lの長辺が南向きでそこに
はリビングがあり、短辺が真東を向いていて、そのLの懐
がルーフバルコニーになっている。

 私の母が生花の師範であり、子供の頃から見習ってき
ましたから私も師範。美大に進んだ私はフラワーアートを
やってきました。布や紙から紙粘土などまでを自在に操り、
つまりは造花を創るのですが、結婚してからは主人の勧
めで自宅で教室を開いていた。週に二度ほどなんですが、
近頃は男性でも興味を持つ人が多くいる。今日だって若
い子から中年の方まで三人一緒。
 L字の短辺、バルコニーが見渡せる東向きのお部屋を
空けて教室にしています。

 バルコニーの物干しに、赤、青、黄色とカラーロープが
干してある。どれもが同じ長さになっていて、竿に垂らし
て干してあったのです。
 それがご主人様の調教でした。ご主人様は主人です。
 教室は女性だけのときもあれば男性だけのときもあり、
もちろん男女が一緒になることも。そのつど、水曜と金曜
のこちらの都合に合う人だけが集まってレッスン料はそ
の場でもらう。そんなふうにしてたのですが今日は男性
ばかりなんですね。
 教室が終わって皆さんがお帰りになられるときに、カラ
ーロープに気づいてくれた一人だけに居残るようにと言う
んです。若い子といちばん年上の生徒さんが帰っていき、
残ったのは三十代後半の男性です。自営業だから平日
の日中に時間が取れる。

「居残りなんて懐かしいなー、あははは! 僕の花はそ
んなにダメですかね?」
「ううん、そうじゃなくてよ、カラーロープに気づいてくださ
ったから」
 きょとんとしている。
 このときはもう心臓が暴れています。寒気のような震え
に襲われ全身に鳥肌が立っている。
「パンティなのよ私の…ほらこうして…」
 ロングフレアのスカートをおちょこになるまでまくり上げ
てお見せする。私には陰毛がありません。結婚してから
股縄パンティ以外は許されない。毛のない性器に真っ赤
なロープが食い込んで、白いお尻を分断するTバックス
タイルです。
 ずっと股縄で過ごしていると刺激されて濡れてきます。
欲しくて欲しくてならなくなる。お花造りをする大きなテー
ブルに私は上がり、脚をM字に開き切って恥ずかしい
ところをお見せする。彼ったら椅子を引いて股下に座り
込み、二重になった赤いロープがかろうじて隠している
股ぐらをじっと見つめる。

「ぬ、濡れてるでしょう?」
「ええ、じっとりと」
「あぁん、はぁぁぁ、ねえ脱がせて…可愛がってください
ね…マゾなのよ、ご主人様の言いつけなんです」
 彼はびっくりなんですが、すっかり息の上がってしまっ
た私にやさしく笑って腰の結び目を解いてくれたわ。
 鼻先を濡れる性器に寄せてくれ、股ぐらにいきなり顔
が突っ込んできてベロベロと舐められます。よくてよくて
叫び散らす私です。
 こうやってカラーロープに気づいてくれた男たちが増え
ていくと、街中のそこらじゅうで出くわすでしょう。
 そうすると無条件にご奉仕です。飲精を拒むことの許
されない性奴隷。もちろん女体を自由に使っていただき
ます。

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