2016年11月24日

FEMDOM 花時計(二話)


二話


 三つあるちゃんとしたお部屋はみんな壁があってドアなのですが、衣装部屋にしている物置きだけは、廊下に面して全面模様ガラスの間仕切りで、その片側をスライドして入ります。お部屋には窓がなく、それでなければ息が詰まる。
マンションに章俊がやって来てから、私はお部屋の奥の衣装を吊すラックの影で着替えるようにしてたのです。模様ガラスの壁際では肌色のシルエットが透けてしまう。

 だけど今夜、私はちょっとドキドキしながら、透ける壁のすぐ内側で、目の覚める黄色の下着だけの姿になって、ブラジャーまでを取ってしまい、部屋着に着替えた。
 その部屋着も、タオル地のTシャツの長いようなピンクのもの。章俊が来てからは着なかったものにした。かなりなミニで乳首のポチだって尖ってしまう。 廊下を歩くあの子の気配がしたんです・・。

 衣装部屋のすぐ前が浴室で、洗濯機もそこにある。部屋着に着替えた私は、いつもなら次の日まで衣装部屋に置いておく脱いだものを、洗濯機に突っ込んでおきました。翌日あの子が出て行ってからお洗濯しているからね。でも今日は、寝る前にシャワーした後、パンティも入れておくつもりです。

 懲らしめるといっても慌てることはありません。そのうちきっと仕掛けた罠にひっかかる。それからのことですから。

 部屋着に着替えた私は、リビングに出て行って、そしたらあの子が薄いコーヒーを淹れて待って来てくれた。やさしいところのある子です。
 でも、いつもと違うくだけた姿の私を一目見て、あの子ったら目がキョドキョド・・私は髪を上げてうなじも露わ・・座ってしまえば太腿も覗いてしまう。 なんだかドギマギして落ち着かない様子です。

「コーヒーありがと、食べよっか」
「はい」
 テーブルの向こうとこちらに分かれて座り、いつものようになにげなく話している。だけど今夜は、あの子の視線がタオル地の胸のところへチラチラと。
 それで私、ついうっかりということで、ケーキを食べた後の小さなフォークを落としてしまった。
「あら・・疲れてるみたい・・ふふふ」
 あの子、もちろんテーブルの下に体を折って拾ってくれる。そうするといまにも見えそうなミニスカートなのですから。
 今夜この子、オナニーなんてするのかしら・・想像すると可笑しくて。
 だけどもちろん、そんなことはおくびにも出しません。

「アキちゃん、ほんといないの?」
「へ? 何が?」
「彼女よ。あなたもう二十歳なんだから、素敵な女の子ぐらいいるでしょう?」
「いませんよ、そんなもん」
「そうなの? でも付き合ったことはあるんでしょ?」
「それはまあ、ないことはないけれど・・」
 恥ずかしそうにうつむく子です。もしやこの子、童貞かしら?

 それまで考えてもいなかったエッチなことが次から次に浮かんでくるの。
 もう恥ずかしくて居場所がないって感じの男の子に可笑しくなってたまりません。お酒の仕事をしているとお客さんはクズばかり。色目は使うわ図々しいわ・・私目当ての男ばかりに囲まれて、だから若い章俊が初々しくていいんです。

「そう言えばアキちゃん、ほんとお酒飲まないね」
「好きじゃないから。ほら、おふくろがあんなだったもんだからイヤなんです。だらしない親だったから」
「ふーん・・あそ」
 この子、外での付き合いで飲むことはありますが、家の中でビールひとつ飲むところを見たことがない。
「あー疲れた・・腰痛いし。そろそろ寝よっか」
 そしたら章俊・・。
「揉んであげましょうか?」
「え?」
 引っかかった引っかかった・・素知らぬ顔で、でもまっすぐ見つめてやると目が逃げる。整理ダンスの下着をいじっていることで後ろめたさがあるのでしょうね。

「嬉しいけど、でも・・アキちゃん甥っ子だけど血のつながりはないんだし」
「そ、それはまあ・・」
 意味するところを妄想してか、赤くなったり青くなったり。
 私だって最後のところで迷う気持ちはありました。襲われることはないでしょうが、ほんとにイジメていいものか、最後のところで気が退けていたからです。

 それでそのときはシャワーに立って、汚れたパンティを洗濯機に突っ込んで、と、いつもならしないことをして、しかも忘れたフリで放置した。
 明日あの子はずっと早く起きていて、シャワーだってするでしょうし、それよりもしも、あの子が私を気にしていれば洗濯機の音がしないことに気づくはず。ふふふ・・そう思うとまたイジメの心がムズムズしだしてたまりません。

 揉ませてみようか・・脱衣場でパンティだけを穿き込んで部屋着を着て、お水を飲むフリでキッチンに回ってみた。オープンキッチンだからリビングが見渡せます。あの子はソファで私が買ってる雑誌を見てる。月刊の女性誌ですが、
そう言えばそれもちょっと気になります。ランジェリーの特集もありますし。
 章俊は男にしてはやさしすぎると思うのですよ。弱々しくて、普通の男の子なら気づかないと思うようなところまで・・たとえばトイレの汚れとか冷蔵庫の中なんか、あの子が来てからむしろ綺麗になったくらい。

 そんなことを考えて、なぜか迷いが消えていた。

「じゃあアキちゃん、腰だけでいいから、ちょっと揉んでくれるかな、ごめんね」
「あ、いいえ・・はい」
 ロングソファに寝そべって、目を閉じて・・あの子の気配を感じています。部屋着は短く、まして今夜は真っ赤なパンティを穿いてやった。腰を押せばお尻が蠢き、部屋着の裾も上がってしまってぎりぎりまでが見えてるはず。
「あー気持ちいい・・ずっと立ってると腰にくるのよ」
「ですよね」
「うん。もう少し下までお願い、お尻の上ぐらいまで」
「は、はい」
 あの子の息づかいが逆に静まったのを感じます。息を詰めているんです。  生唾ものなのかしら?

「アキちゃんとは十六違うのか・・ん、十七だね、私はもうすぐ三十七だし」
「そうですね」
「ほら、血のつながらない私だから、ほんとはちょっとドキドキしてるの、そうなってもおかしくないし」
「そんなこと・・」
「アキちゃんて女は知ってる?」
「ぁ、いえ、それはその・・」
「私なんてオバちゃん? 女だなんて思わない? オナペットにもならないかな?」
 矢継ぎ早に言葉で追いつめてやりました。このとき章俊はGパンです。もしもパジャマみたいなソフトなものなら、大きくしてしまうかも・・私は笑いを噛むのに懸命でした。

 それからベッドに横になり、闇の中で想像したわ。あの子いまごろ絶対ハァハァしてると思う。

 次の日の朝、無意識のうちに早く目の覚めた私は、寝室の外の気配に集中していて、あの子が起き出してくる気配を待っていたんです。あの子は九時には起きて来て、まず真っ先に顔を洗うために洗面台に立つでしょう。そこはつまり脱衣場で洗濯機が横にある。

 ドアが開いて廊下を行く気配がします。
 私はちょっとほくそ笑み、それからまた目を閉じた。

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