2016年11月27日

FEMDOM 花時計(七話)


七話


 ズタズタにしてやりたい衝動を私の中にある何かがおしとどめていたのでした。それが何か、どんな感情なのか・・私はそれを迷いと受け取り、振り切れるまでは進まないと決めていた。

 翌日は水曜日です。昨日あれからお風呂に入れて、もちろん貞操帯をさせ、新しく置いた鞭打ち台につないでしまって今朝まで放置していた奴隷に、生理二日目でたぷたぷの赤いタンポンを白くなるまでしゃぶらせて、ボールに入れたミルクとドリンク剤を一本置いて、家を出た。
 街へ出て買い物もありましたし、そのまま店に出るつもり。昨日からだとほとんど二十四時間の放置になります。

 早めにお店に出た私はお料理の仕込みをしていたのですが、いまごろあの子、悲しがっているだろうなと考えると、これからはじまる深夜までのストレスが軽くなる気がします。なんだか口惜しくもあるのですけど、あの子に癒されてるのかも知れませんね。
 そしてお店を開けて、なじみの顔がカウンターに出そろうと、ある人が、まじまじと顔を見て言うのです。
「ここのところママ、何かいいね」
「何かって? いいって、どういう意味?」
「うん、自然体って感じでさ、穏やかで雰囲気いいよ。さては彼氏でもできたかな? あははは!」

 ドキリとしました・・ほんの数日でそんなに変わっていたのかしら? 嬉しいような、でも逆にムカつくような、よくわからない感情なんです。あんな変態に心を動かされたなんて、私は自分が許せない。
「でママ、今度の土日なんだけど俺たちゴルフなんだけど、よかったらママもどう? 温泉に泊まるプランだけど?」
「うん、考えとくね、ありがと」

 その会話がヒントになりました。その日の夜はタンポンを吸わせたぐらいで、これといったことはせず、その翌日も、また次の日も、ミルクとドリンク剤だけで餌は与えず、乳首をいじる程度の刺激をやって放置していたのです。
 日に日に視線が弱くなっていく。寂しいのと、きっと不安もあるのだと思うのです。

 そして明日から土日という金曜日の夜のこと・・。
「明日からのお休み、ゴルフですから。お客さんのお誘いだからしょうがないのよ。ふふふ、私を狙ってるからエッチぐらいされるかも。明日は早く出て日曜日の夜まで戻りませんから、おとなしくしてるのよ」
「はい、お母様」
 土日はかまってもらえるし、ご飯もくれると思っていたのでしょうね。がっくり肩を落としています。それにミルクだけの三日の絶食。それがさらに二日も続く・・。

 そしてその朝、牛乳パック二本とドリンク剤を二本置いてやり、悲しそうな顔を覗き込んでやったのです。
「奴隷のために明かりなんてもったいないから消してくね。ミルク考えて飲みなさいよ、なくなっても後がないから。じゃあね変態、お客さんに抱かれてくるわ。あははは!」
 ゴルフではありません。独りで温泉でも行ってみようと思っただけ。
 ちょっと可哀想だったかな・・陽が落ちれば真っ暗だし、ミルクもいつもより量が少ない。五日間の断食ですもの・・ふふふ。
 考えてるとムラムラしてきて、どういうわけか欲情してくるんです。
 指先が忍びます・・ああ凄い、感じる、すごい濡れだわ・・。

 でも、どうして?

 イジメてやりたい・・めちゃめちゃにしてやりたい・・花時計に植えられた鬼薔薇は、血を吸って育つ花のように真っ赤に咲いているようです。
 だけど温泉なんてどれぐらいぶりだろう。私のあの子を・・引き裂かれた私の息子が大きな岩風呂でおぼれかけたことを思い出してしまうのです。
 寂しい。私は独り。涙にもならない空虚が私をつつんでいたんです。
 翌日は旅館を出てから久々の伊豆を満喫し、夕方の新幹線に乗りました。

 八時前に家に着いた。玄関ドアの前に立ち、いまのいままで考えていた坊やのこと・・楽しかった親子の時間がすーっと消えて、奴隷の姿を思い浮かべてワクワクしてる。おかしな感情だなって思いましたね。
 玄関を開けて明かりをつけて、もちろん明かりはガラスの壁を通して章俊に
・・章俊か・・奴隷としての名がいるわ。なぜだか急に、そんなことを考えたんです。
 私の気配に、お部屋の奥から・・・。
「お母様ぁ! お母様ぁぁーっ! ぁううう・・・あうぅぅーっ!」
 絞り出すような泣き声が響きます。

 廊下の明かりがガラス越しにしみこんで、すぐまた部屋の明かりをつけてやる。便の異臭と、酸っぱいような男の匂いに満ちてます。
 私の顔を見るなり、あの子は床に平伏して号泣してます。
「お母様ぁ、お帰りなさい・・ぅっ、あぅぅぅ・・寂しかった・・おなか空きましたぁ・・」
 激情が衝き上げてたまりません。しゃがみ込んで両肩に手をやって、涙でぐしゃぐしゃの眸を覗く。

 首輪からのリードは鞭打ち台につながれたまま、少しだって動いていない。 ミルクもドリンク剤ももちろん空っぽ。
「おとなくしてたんだ?」
「はい! はいぃ! お言いつけは守りますぅ!」
「うん、いい子よ、頑張ったんだね」
「はいぃ・・うわああーっ!」
 はじめて・・はじめて抱いてやりました。心なしか背中のあたりが細くなった気がします。
 すがりつく抱擁を引き剥がし、目を見つめて言うのです。
「償うってそういうことよ。私の心を壊したんだから、何をされてもただじっと耐えること。すまなさだけを考えて、許されるまで耐えること」
「はい、お母様ぁ! ほんとにごめんなさいぃ! うわぁぁーっ!」
 しゃがむ私の脚にすがるように泣く子です。

 ん? 泣く子? 泣きべそ・・泣きべそがいいか?

「おい、泣きべそ。あははは、おまえは今日から泣きべそね、おまえの名前よ、な・き・べ・そ! あははは!」
 私は上だけ脱いでブラも外し、乳房を泣きべそに寄せてやる。
「はい、おっぱい吸って、ご褒美よ」
「はい・・嬉しいですぅ」
 妙に笑ったような泣きべその頭を抱いて乳首を吸わせる。女はそれを与えると、たまらない感情が逆巻いてくるものです。
 首輪も手枷足枷も、貞操帯も取ってやり、臭いバケツを片づけながらシャワーするよう言いつけます。

「お弁当二つも買って来たから、早く行ってらっしゃい!」
 素っ裸で飛んでく泣きべその白いお尻を見ていると、ほんともう子供です。

 可愛い・・私は泣きべそのこと可愛いって思ってる。

 ああ口惜しい・・ああ腹が立つ!
 もうね、支離滅裂。
 だけど今夜はご褒美かな? お尻を叩く木製のラケットを一度は握り、また吊してしまいます。
  

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